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高森明勅
2019.5.9 06:00皇室

ドローンが気になる

危機管理の鉄則。
 
「悲観的に(最悪を予想して)備え、楽観的に(最善を目指して)対処する」。
 
その原則に照らして気になるのが、このところ、
皇居や赤坂御用地周辺などで
度々ドローンらしき物体が
目撃されているという
ニュース。
 
ひょっとして、予めテロのポイントとタイミングを探る為に、
下見を繰り返している
可能性はないか。
空中からの危険物(爆発物や劇薬など)の投下への対処は、
至難ではないか。

皇室への国民的な関心が高まり、
これからも重要な行事が続く。
ならばそれだけ、国民から孤立したごく少数の強硬な反天皇主義者が行動を
エスカレートさせる危険性は高まる、と考えるべきだ。
 
極端な考え方を持つ者は、国民の支持が得られなくなればなるほど、
行動が過激になりがちだ(NHKの平成30年の「日本人の意識」調査で、
天皇に「反感をもっている」は過去最低の0.2%)。

つい先頃も、反天皇主義者によって秋篠宮家の
悠仁親王殿下の
中学校の机に刃物が置かれる、
という事件があったばかり。
 
私のブログでも「重大事件」として取り上げた。
逮捕された人物は「(悠仁殿下を)刺そうと思った」
と供述しているようだ。危ない場面だった。
 
今の皇室は、上皇陛下のこれまでのご献身によって、
幅広い国民の素直な
敬愛の気持ちが高まっている一方で、
実際の皇位継承資格者はごく少なくなっている。
 
これはテロの効果が巨大化している事を意味する。
客観的にはテロを誘発しやすい条件は整っている。
それだけに、ドローンのニュースが気にかかる。
 
実は、反天皇主義者が何もしなくても、
皇室は今の皇室典範を改正しない限り、
遠くない将来に「自然消滅」する可能性が低くない。
しかし、その前に“自分らの手”で皇室に決定的な
打撃を与えたい、と望んでいる者らが存在する
可能性を無視できない。
高森明勅

昭和32年岡山県生まれ。神道学者、皇室研究者。國學院大學文学部卒。同大学院博士課程単位取得。拓殖大学客員教授、防衛省統合幕僚学校「歴史観・国家観」講座担当、などを歴任。
「皇室典範に関する有識者会議」においてヒアリングに応じる。
現在、日本文化総合研究所代表、神道宗教学会理事、國學院大學講師、靖国神社崇敬奉賛会顧問など。
ミス日本コンテストのファイナリスト達に日本の歴史や文化についてレクチャー。
主な著書。『天皇「生前退位」の真実』(幻冬舎新書)『天皇陛下からわたしたちへのおことば』(双葉社)『謎とき「日本」誕生』(ちくま新書)『はじめて読む「日本の神話」』『天皇と民の大嘗祭』(展転社)など。

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